譲位関連 目次



報道(第一報~おことばの前)平成28(2016)年7月16日~8月5日
報道(おことばの後)平成28年8月8日~10月16日


天皇陛下が生前退位に込めた真意月刊テーミス2016年9月号
皇后陛下は退位に反対した文藝春秋2016年10月号




天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議(外部サイト)議事次第、議事概要
 平成28年10月17日~平成29年4月21日 全14回

有識者会議平成28年10月17日~12月14日(第七回目会合までのニュース記事)
有識者会議の論点整理全文平成29(2017)年1月23日
有識者会議最終報告平成29年4月22日

「正道」示した渡部昇一氏を悼む平成29年6月27日 平川祐弘 

称号について平成29年3月~5月
「女性宮家」の検討の攻防平成29年5月27日~6月9日



上皇 京都か奈良へ?平成29年6月12日・14日



譲位 皇室会議平成29年12月1日
譲位まで1年平成30年4月29日・30日







退位と即位 平成31年4月30日・令和元年5月1日

儀式と憲法 その課題とは

NHK政治マガジン
2019年2月20日
儀式と憲法 その課題とは

「平成」に代わる新時代の幕開けまで、残すところ2か月余り。
新元号への関心は高まるばかりだ。
一方、前回の平成への代替わりの際は、憲法に定める政教分離の原則などをめぐって、
大論争が巻き起こったが、今回は国会論戦で取り上げられることもほとんどない。
政府は、前例踏襲を前面に着々と準備を進めているが、前回の課題は解消されたのか。
議論すべきことはないのか。
有識者や国会議員へのインタビューを通じて、探った。
(政治部官邸クラブ 小口佳伸、後藤匡、清水大志)

前回は大論争だったが…
伝統的儀式と、憲法の国民主権や政教分離との整合性をどう図るのか。
かつて、国民的な大論争が巻き起こった大きな要因は、天皇の代替わりに関する規定が、
現在の皇室典範には詳細に明記されていないためだった。
皇位継承に伴う儀式は神道形式で行われるものが多い。
一方、憲法は、「国は、いかなる宗教的活動もしてはならない」と政教分離の原則を定めている。
当時の政府は、有識者からヒアリングを行いながら、宗教色を薄めるよう努めたが、
国会では与野党の間で意見が鋭く対立し、激論が交わされた。
とりわけ「大嘗祭」をめぐる政府の対応が政教分離の原則に反するとして、各地で裁判が起こされるなど、
平成という新たな時代は、式典と憲法の整合性をめぐる論争で幕開けしたとも言って良い状況だった。
今回の一連の儀式について、政府は、静かな環境で議論を進めることを重視する姿勢を強調し、
つつがなく儀式を終えることを目指している。
こうしたことも影響したのか、統計不正問題をめぐる論争とは対照的に、
皇位継承と憲法との関わりについては国会でも大きな議論とはなっていない。
では今回の皇位継承をめぐる一連の儀式をめぐって課題や論点はないのか。
取材を進めるとさまざまな課題が浮き彫りになってきた。

最初の儀式「成年男子に限る」
皇位を継承した新天皇が最初に臨む儀式が「剣璽等承継の儀(けんじとうしょうけい)」だ。
この儀式は、戦前の大日本帝国憲法下では「剣璽渡御の儀(けんじとぎょのぎ)」という名称で、
明治から大正、大正から昭和への代替わりの際に行われた。
この際に新天皇に「供奉(ぐぶ)」、つまり付き従う皇族は、成年の男性皇族に限られていた。
政府は、今回も供奉するのは成年の男性皇族に限ることを決めた。
一方、閣僚などは、男女の区別なく参列することを認めることにした。
前回・平成の代替わりの際には、参列者は男性だけだったが、
政府によると、これは女性閣僚がいなかったからで、参列を認めていなかった訳ではないという。

女性閣僚はOKで、女性皇族はダメ
成年の男性皇族に限ると決めたことについて、
皇室制度や元号について詳しい京都産業大学の所功名誉教授は「大変に遺憾だ」と述べた。
その理由として、所氏は、天皇の地位を継げるのは男系男子に限られているが、
天皇が重い病気の場合などに代役を務める摂政(せっしょう)や国事行為の臨時代行には、
女性皇族が就く場合があることから、儀式を見ておくことは必要なことだとして、
女性皇族の参加を認める必要があったと主張した。
そして、政府が女性の閣僚などの参列を認めたことを踏まえて
「天皇という存在の継承をしっかり見守るという意味において、閣僚であろうと、皇族であろうと関係ない。
政府なり宮内庁が柔軟に考えて欲しかった」と述べた。
また、未成年の皇族が出席できない点についても
「戦前、未成年の昭和天皇が、大正天皇の即位礼に出ている」と指摘し、
判断能力や理解力がある未成年皇族の陪席も認めるべきだと指摘した。
日本近現代史が専門の静岡福祉大学の小田部雄次名誉教授も
「戦後日本の男女平等という考え方に直結する問題だ。
日本国憲法が定める男女平等と皇室の伝統が同じ土俵に乗せられていることに、違和感を覚える」と指摘した。
「日本人のライフスタイルと皇室の常識が随分かけ離れてしまっている。
儀式への参加を、成年の男性皇族に限るのであれば、女性閣僚の参列も認めないという遠慮が必要だった」
これに対して、自民党内でも保守的な立場を取る木原稔衆議院議員は
「皇位継承権のある男性皇族のみが参列するというのは、
皇室の長い歴史・伝統に基づくもので、それに配慮することは必要だ」と理解を示した。
さらに女性の閣僚などの参列についても「男女平等」という時代の要請に基づいた対応だとして、
賛同する考えを示した。

三種の神器「宗教的」か「もの」か
憲政史上、初めて行われる「退位礼正殿の儀」と「剣璽等承継の儀」の際、
侍従が、歴代天皇に伝わる剣と曲玉、それに国事行為の際に印として使う国璽と御璽を持って入り、
儀式が執り行われる部屋の中に置くことが決められた。
これについて小田部氏は「国民主権の観点から違和感があり、違憲の疑いがある」という認識を示した。
「平成になった際、慌ただしく行ったやりかたを議論なく踏襲してしまった。
皇室が皇位継承の神器を受け取るのは構わないが、国事行為とされてしまっている。
神器の承継だけ皇室が私的行事として行い、
それから国爾と御璽を受け取るという形で分離することもできたはずだ」と指摘した。
また、日本共産党の政策委員長を務める笠井亮衆議院議員も、剣璽というのが天皇の地位の証明であって、
その継承が代替わりと一体のものだというのは、これは戦前の旧皇室典範の規定だと指摘。
現行憲法の国民主権、政教分離の原則から剣や曲玉は置くべきではないと主張した。
一方、所氏は「いまの剣璽は神器ではない。
皇室経済法には、皇位とともにつたわるべき由緒あるものは、これをただちに継承するという規定がある。
あくまで皇位の継承に伴う『もの』にすぎない」
「天皇と一体であるべき宝器(レガリア)を常に身近に置くということは、皇位の正統性を保証するものだ。
宗教性がなく、大切にしてきた『もの』をセレモニーとして運んでおくことは必要だ」として、理解を示した。
木原氏も、剣璽は神器ではないとした上で
「天皇陛下の即位の礼の時も、会場に剣璽が安置されていたのだから、
退位される時も陛下とともにある剣璽を置くことに問題はなく、きわめて自然なことだ」と述べ、
問題がないという認識を示した。
こうして見てみると、剣や曲玉を、皇位継承に伴う「もの」と見るか、
宗教色の強い「三種の神器」と捉えるのかが争点となっていることが分かる。
儀式の宗教色を指摘した、小田部氏と笠井氏は、政府が「剣璽等承継の儀」を国事行為としたこと自体にも、
憲法上問題があると指摘し、議論を深めるべきだったと主張している。

「大嘗祭」めぐる根強い違憲論
前回・平成への代替わりの際、訴訟が相次いで提起されたのが「大嘗祭」(だいじょうさい)だ。
「大嘗祭」は、新天皇が即位後初めて、新しく収穫された米などを天照大神とすべての神々に供えた上で、
みずからも食べて国と国民の安寧や五穀豊穣などを祈る儀式だ。
毎年11月に宮中祭祀として行われる「新嘗祭」(にいなめさい)という儀式がある。
この儀式の名称を変え、即位後、初めて大規模に行うものが「大嘗祭」で、
皇位継承に伴う一世に一度の重要な儀式とされている。
「大嘗祭」について、政府は、前回同様、皇室の公的な資金である宮廷費から費用を支出し、
皇室行事として行うことにしていて、前回、訴訟が相次いだことについては、
いずれも国などが勝訴しており、憲法上、問題ないとしている。
しかし、宗教関係者や大学教員など240人余りが去年12月、
「大嘗祭」や「即位の礼」など、皇位継承に伴う一連の儀式に、
公的な費用を支出することは政教分離を定めた憲法に違反するとして、
国に対し、支出をやめるよう求める訴えを起こした。
また、秋篠宮さまは、去年11月、憲法の政教分離の観点から
天皇の生活費などにあてられる「内廷費」から費用を支出すべきだという考えを示した。
皇族が公の場で、政府の決定と異なる意見を述べるのは極めて異例のことだ。
笠井氏は、政府は宗教色が強いとして「大嘗祭」を国事行為にはしていないが、多額の宮廷費を使う以上、
「事実上の国家的行事だ」と指摘し、憲法の国民主権・政教分離の原則に反すると厳しく批判した。
その上で、秋篠宮さまのご発言については、「皇室行事として宗教色の強い儀式であって、
これに国費を支出するのは妥当かと言われたのは道理にかなった発言だ」と評価した。
これに対し、木原氏は、大嘗祭は、五穀豊穣や国家の安寧を祈る公的性格が強い儀式で、
費用を宮廷費から捻出することについて何ら問題ではないと指摘した。
そのうえで、秋篠宮さまの発言について、最初は驚いたとしつつ、
「総合して秋篠宮さまのお気持ちを考えると、
経費、国費を節約して簡素化を求められた発言だと捉えている」と理解を示した。
一方、所氏は、大嘗祭について、宗教色はあるものの皇位継承に伴って行うもので、
強い宗教性は有しておらず問題はないと主張した。
その上で、秋篠宮さまの発言については
「お立場からいろいろな考えがあっておっしゃられたことだと思う」とした上で、
「(秋篠宮さまは)『宗教性が強い』とか、『強い宗教性を有する』とか2回も言っておられるが、
これは明らかに誤解というより認識不足だと思う」と指摘した。
「大嘗祭」は、憲法に定める政教分離との関係で、前回の訴訟の判決が確定してもなお、
根強い議論があることが分かる。

女性宮家の創設は
天皇陛下の退位に向けた特例法の採決にあたっては、皇族の減少が進む中、衆参両院の委員会で、
安定的な皇位継承を確保するための課題や女性宮家の創設などについて、
政府に速やかに検討することを求める付帯決議が可決された。
政府は、皇族数の減少の問題は先延ばしできない重要な課題だとしつつ、
女性宮家をめぐる議論が進んでいる形跡は見られない。
小田部氏は、秋篠宮さまが皇位継承順位1位を意味する「皇嗣」になられることを
広く国民に明らかにする「立皇嗣の礼」が、皇位継承の一年後となる来年の4月19日に行われることで、
女性宮家や女性天皇の議論が置き去りにされてしまうと指摘する。
「女性宮家や女性天皇の問題を議論しないまま、式典という形で道筋を決めていいのか。
政治家や官僚は、機会主義的な態度で目の前の式典をどうするかということばかり考え、先のことを見ていない」
そして「立皇嗣の礼」を通じて、秋篠宮さまに続いて、
悠仁さまに皇位が継承されていくという道筋が示されたことになりかねないという考えを示した。
小田部氏は、皇室が、皇族数の減少などの課題に直面する中、
皇室のあり方を考える機会を奪ってはいけないとして、
「立皇嗣の礼」を行うのは、もう少し後でも良かったのではないかと主張する。
笠井氏は、象徴天皇制のあるべき姿について、国民が主体となって議論することが重要だと主張した。
象徴天皇制は、新憲法下での新しい概念であり、過去の歴史にとらわれる必要はなく、
女性宮家の創設なども含めて活発な議論をすべきだと強調した。
これに対して、木原氏は、「歴史と伝統を継承していくことが原則だ」として、
皇位継承を男系男子で維持すべきだという考えを示した。
過去に議論に浮上した女性宮家の創設の前に、たとえば女性皇族が、
結婚後も引き続き皇室活動ができる仕組みをつくるなどして、
状況をみながら必要に応じて少しずつ制度を変えていくべきだと訴えた。

国民的議論を求める声
政府の対応に批判的な立場に立つ小田部氏は、取材の最後に、
「いろいろ批判したが、一連の儀式を『やめろ』と言っているのではない。
政府は、国民とともに皇室の課題を考える場を作るなどして、
残された課題を次の時までに議論して欲しい。それを強く願う」と述べた。
また笠井氏は「今回の式典は前例踏襲が多いが、平成への代替わりの際に、
現行憲法下での十分な検討は行われたとは言えず、象徴天皇制の下で、
国民主権と政教分離という原則がある中で、
どういうあり方がいいのか立場の違いを超えて議論すべきだった」と指摘した。
皇位継承まで2か月余り。「平成」が終わり、新しい時代の幕が開ける。
政府は先月、憲法の定める国事行為として、
憲政史上初めて行う天皇陛下の退位の儀式「退位礼正殿の儀」や、
新天皇が歴代天皇に伝わる剣や曲玉などを受け継ぐ「剣璽等承継の儀」の次第概要などを決定した。
しかし、前回・平成への代替わりの際に浮上した課題は、
今回の代替わりでも、解消されないまま残っているようにも見える。
こうした課題に、どのように向き合っていけばよいのか、皇位継承に向けて引き続き取材をしていきたい。
https://www.nhk.or.jp/politics/articles/feature/14392.html

新天皇、皇后の地方公務

新天皇、4大地方行事に=国民文化祭加わる-宮内庁
1/31(木) 18:18配信 時事通信
宮内庁は31日、5月以降の新天皇、皇后が毎年出席する地方行事について、
これまで皇太子ご夫妻が出席されてきた国民文化祭が加わると発表した。
これにより、新天皇、皇后の主要地方行事は、全国植樹祭、国民体育大会、
全国豊かな海づくり大会の三つから四つになる。
同庁の山本信一郎長官が定例会見で明らかにした。
国民文化祭は、皇太子ご夫妻による七つの主要地方行事の一つ。
皇太子さまは昭和時代の第1回に出席するなど縁が深いことから、
山本長官は「お気持ちにかなうと理解している」と話した。
ただ、雅子さまについては療養中のため、出席が難しいこともあり得るという。
国民文化祭を除いた六つの行事のうち、全国「みどりの愛護」のつどい、
全国高等学校総合体育大会、全国障害者スポーツ大会、全国育樹祭の四つが
皇位継承順位1位の「皇嗣」となる秋篠宮さまと紀子さまに、献血運動推進全国大会は紀子さま単独、
全国農業担い手サミットは寛仁(ともひと)親王妃信子さまが引き継ぐことも決まった。
皇太子ご夫妻が毎年出席する東京都内の三つの行事について、国際青年交流会議は新天皇、皇后が出席し、
文化庁芸術祭オープニングは秋篠宮ご夫妻、
「日本賞」教育コンテンツ国際コンクール授賞式は紀子さまが単独で引き継ぐことになった。 
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019013101171&g=soc


新天皇、4重要地方公務に出席 代替わり後の分担発表、宮内庁
宮内庁は31日、天皇代替わり後の公務の分担策を発表した。
天皇、皇后両陛下は毎年、各地で開催される「全国植樹祭」「国体」
「全国豊かな海づくり大会」への出席に伴う三つの重要地方公務に臨まれてきたが、
新天皇、皇后の活動に「国民文化祭」への出席が加わる。
新天皇、皇后となる皇太子ご夫妻は、両陛下の現在の活動を基本的に全て引き継ぐ。
国際生物学賞の授賞式は天皇陛下の意向で、理学博士の学位を持つ秋篠宮さまと妻紀子さまが出席する。
新天皇、皇后の活動に加わる国民文化祭は、
1986年の第1回から皇太子さまが出席してきたため即位後も続けることが決まった。
(共同)
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2019013101002121.html


新天皇、皇后の地方公務は「四大行幸啓」に 「国民文化祭」をご継続
2019.1.31 18:31
宮内庁は31日、天皇陛下の譲位後の公務の分担に関連し、
皇太子ご夫妻が毎年臨席してきた地方での7つの行事(七大行啓)のうち、
「国民文化祭」を新天皇、皇后となった後も引き続き担われることを明らかにした。
天皇、皇后両陛下が恒例とされた「国民体育大会」など3つの行事(三大行幸啓)に加えられる。
皇太子ご夫妻が両陛下の公務を原則全て引き継がれる一方、
ご夫妻の公務を譲り受ける秋篠宮ご夫妻が多くの公務を抱えられており、分担の調整が難航していた。
宮内庁は今回、都内を含む恒例の地方公務を行事の趣旨などを踏まえて整理し、
皇太子さまと秋篠宮さまのご了承を得た。皇居や赤坂御用地内での行事は継続的に検討する。
国民文化祭は、浩宮時代の皇太子さまが昭和61年の第1回に臨席し、
平成以降も皇太子ご夫妻が務められてきたことを考慮。
ご夫妻の結婚記念事業である「国際青年交流会議」などゆかりの深い都内の3つの行事も引き続き臨まれる。
平成27年以降、秋篠宮ご夫妻と交互に担う「こどもの日」と「敬老の日」にちなむ施設訪問は、
新天皇、皇后が双方とも受け持たれる。
七大行啓のうち国民文化祭以外の6つの行事は、皇嗣、皇嗣妃となる秋篠宮ご夫妻が4つをご負担。
「献血運動推進全国大会」は主催する日本赤十字社の名誉副総裁を務める秋篠宮妃紀子さまが、
「全国農業担い手サミット」は寛仁親王妃信子さまが担われる。
また、秋篠宮ご夫妻の負担軽減のため、一部行事を長女の眞子さまがご担当。
秋篠宮さまは13団体の名誉総裁・総裁職を皇嗣としても継続するが、臨席行事を限定される。
宮内庁の山本信一郎長官は「宮中行事の増加を考えると、
まだ見直しが必要で、代替わり後も続けていく」と述べた。
https://www.sankei.com/life/news/190131/lif1901310025-n1.html

<代替わり考>退位儀式に天皇家私費 伊勢神宮参拝 陛下の意向を尊重

<代替わり考>退位儀式に天皇家私費 伊勢神宮参拝 陛下の意向を尊重
2019年1月31日 朝刊
天皇陛下が四月に伊勢神宮(三重県)へ退位を事前に報告する儀式について、
政府は天皇家の私費である「内廷費」を充てる方針を決めた。
宮内庁関係者によると「簡素な形で儀式に臨みたい」との陛下の意向も踏まえたという。
新設される十一の退位関連儀式のうち、内廷費の支出が決まったのは初めて。
政府は皇太子さまの即位関連儀式を国費で行う方針を決めているが、
退位関連ではほかの儀式にも内廷費の支出を検討している。

伊勢神宮には皇祖神の天照大神(あまてらすおおみかみ)が祀(まつ)られており、
陛下は四月十八日の「神宮に親謁の儀」で、同月三十日の退位を報告する。
皇位の証しとされる三種の神器のうち、剣と勾玉(まがたま)(璽(じ))も携行する予定だ。
両陛下の神宮参拝は、式年遷宮後の二〇一四年以来五年ぶり。
即位後は、一九九〇年十一月に即位礼や大嘗祭(だいじょうさい)の終了を
親謁の儀で報告して以降、五回目となる。
九〇年の親謁の儀では、国費の宮廷費を使い、陛下は古式の黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)姿、
皇后さまは十二単(じゅうにひとえ)姿で、二頭立て馬車に乗り、
神宮の内宮と外宮の正殿前まで、それぞれ移動した。
今回はモーニングコートを着用し、馬車行列もないシンプルな参拝を想定する。

宮内庁幹部は「退位直前の私的な皇室行事であり、儀式の前例もない。
簡素な形での儀式を望まれた陛下の意向も尊重して判断した」と話す。
内廷費の支出は両陛下の交通費などを予定している。

退位関連の十一儀式のうち、政府が責任を負う国事行為は、
陛下が天皇として最後に国民の代表である首相らと会う四月三十日夕の「退位礼正殿の儀」だけで、
国費が充てられる。このほか皇居内の宮中三殿や伊勢神宮、
神武天皇陵や昭和天皇以前の四代の天皇の山陵に退位を報告する儀式などは宗教色が否めず、
皇室行事である「大礼関係の儀式」として行われる。

政府は皇太子さまの即位関連儀式のうち、二十余りの皇室行事について、
前回を踏襲する形で国費の宮廷費を充てる方針を決めている。
秋篠宮さまは昨年十一月、宗教色の強い大嘗祭について内廷費で行うべきだと発言して波紋を広げた。
 (編集委員・吉原康和)

<内廷費と宮廷費> 宮内庁の皇室費は、内廷費と皇族費、宮廷費の三つに分類される。
内廷費は天皇家、皇太子家の生活費や宮中祭祀(さいし)などの私的費用に充てるもので、
2018年度は3億2400万円。
宮廷費は、外国賓客の接遇、地方訪問など公的な活動の必要経費で、同年度は約92億円。
皇太子さまの即位関連費用では、大嘗祭など総額約38億円が宮廷費から支出される。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201901/CK2019013102000120.html

御代替わり 感謝と敬愛で寿ぎたい 皇統の男系継承確かなものに

産経
【主張】御代替わり 感謝と敬愛で寿ぎたい 皇統の男系継承確かなものに
2019.1.3 05:00
天皇陛下が、皇太子殿下へ皇位を譲られる歴史的な年を迎えた。
立憲君主である天皇の譲位は、日本の国と国民にとっての重要事である。
譲位は江戸時代後期の文化14(1817)年に、
第119代の光格天皇が仁孝天皇へ譲られて以来、202年ぶりとなる。
陛下は譲位によって上皇になられるが、4月30日に位を退かれるまでは、
天皇として、宮中の祭祀(さいし)や国事行為その他のお務めを果たされる。

≪歴史と伝統踏まえよう≫
長くお務めに精励されてきた上皇への感謝の念と、新しい天皇(第126代)への敬愛と期待の念を持ちながら、
国民こぞって御代(みよ)替わりを寿(ことほ)ぎたい。
安倍晋三首相はじめ政府、宮内庁は、諸行事の準備に万遺漏(ばんいろう)なきを期してもらいたい。
新天皇の即位の式典には友好国からの賓客も多く列席する。日本のみならず世界からも祝福されることになる。
初めて譲位を目の当たりにする経験は、国民それぞれが天皇、皇室のことを改めて知り、考える貴重な機会になる。
「私は即位以来、日本国憲法の下で象徴と位置付けられた天皇の望ましい在り方を求めながら
その務めを行い、今日までを過ごしてきました」
天皇陛下が昨年12月、85歳の御誕生日を前に記者会見された際のお言葉である。
現憲法は第1条で「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、
この地位は、主権の存する日本国民の総意に基(もとづ)く」と定めている。

天皇はなぜ、憲法の筆頭条文に記されているのか。
それは、近代憲法が定められるはるか昔、国の始まりから今に至るまで、
天皇が日本の首座にいらしたからにほかならない。
歴史と伝統の重みが「国民の総意」をうたう憲法の記述を導いている。
「国平らかに民やすかれ」と願われる天皇を、国民は敬愛の念をもって支えてきた。
天皇と国民が共に紡いできた日本の歴史を、新たな代へ引き継ぎたい。
そのためにも、天皇や皇室の行事は、歴史と伝統を損なわないような憲法、法令解釈で挙行されるべきである。
新天皇が国家国民の安寧や五穀豊穣(ごこくほうじょう)を祈る大嘗祭(だいじょうさい)を、
天皇の私事とみなす議論が一部にある。これは「祈り」という天皇の本質を損なう考えといえる。
大嘗祭が私事として行われたことは一度もない。
君主である天皇にとって永続性は極めて重要だ。
時代が変遷していく中で、かなう限り伝統、歴史に沿うのが正しい在り方である。
今の陛下による平成2年の大嘗祭も公的行事として行われた点を重視しなければならない。

≪2つの重要課題対応を≫
5月の改元をめぐり、政府は新元号を4月1日に閣議決定し、同日中に公表する方針を固めた。
新元号が御代替わりよりも前に発表された前例はない。
コンピューターが発達した時代に、譲位に伴う改元があるのは初めてだ。
円滑な国民生活のため、5月1日の新天皇即位より前に新元号が示されるのは望ましい。
その一方で、政府が4月1日に今の陛下に新元号を定める政令に署名していただき、
一両日中に公布する手順を想定している点は残念である。
元号は、天皇の御代を表すという根本的性格がある。
改元の政令は、これからの時代を担われる新天皇が署名されるのが自然だ。
政府が新元号を内定という形で発表し、新天皇が即位日に政令に署名、公布される段取りが本来望ましかった。
手続きを柔軟かつ迅速にすれば可能ではなかったか。

御代替わりの後には、2つの重要事に取り組むべきだ。
1つは、秋篠宮殿下の長男で皇位継承順位2位となられる悠仁さまのご教育の問題である。
未来の天皇としてふさわしいお心構えを身につけていただくよう、政府と宮内庁は対応を急いでほしい。
もう1つは、確かな皇位継承を保つことだ。
古代から現代まで、一度の例外もなく天皇の即位に貫かれてきた大原則は、男系による継承である。
「女性宮家」は皇室のご公務の担い手としてはともかく、男系を継承する手立てではない。
今も親族として皇室と交流する旧宮家の皇籍復帰などの本格的検討が迫られている。
https://www.sankei.com/column/news/190103/clm1901030001-n1.html