歌会始令和2年

令和最初の歌会始 お題は「望」 陛下、子供の明るい未来をお詠みに 
2020.1.16 11:55
新年恒例の「歌会始の儀」が16日、皇居・宮殿「松の間」で「望」をお題に行われた。
天皇、皇后両陛下と秋篠宮ご夫妻、寛仁親王妃信子さまのお歌、
一般応募の1万5324首(選考対象)の中から入選した10人の歌などが古式ゆかしい節回しで披露された。
天皇陛下のお招きで歌を詠む召人(めしうど)は、歌人の栗木京子さん(65)が務めた。
療養中の皇后さまが歌会始の儀に出席されたのは平成15年以来、17年ぶりとなった。
上皇ご夫妻は出席されなかった。
「学舎(まなびや)にひびかふ子らの弾む声さやけくあれとひたすら望む」。
宮内庁によると、陛下は保育園や学校などを訪れ、子供らと触れ合うたびに、
子供らの将来が明るくあってほしいと願う気持ちを表現された。
「災ひより立ち上がらむとする人に若きらの力希望もたらす」。
昨年末、台風19号などで被災した宮城、福島両県を陛下と見舞った皇后さまは、
これまで慰問した被災地で高校生ら若者がボランティアとして復旧作業に取り組み、
人々に希望を与えていることを頼もしく思い、歌に詠まれた。
秋篠宮さまは、昭和天皇と那須御用邸の屋上で夜空を見上げた際、
たくさんの星が見え、心が躍った思い出を詠まれた。
秋篠宮妃紀子さまは昨年9月、岩手県釜石市を訪問した際、高台に移転した小中学校の校舎に続く長い階段に、
子供らが育てたひまわりの鉢が並ぶ様子を見て、明るい気持ちになったことを歌にされた。
https://www.sankei.com/life/news/200116/lif2001160021-n1.html


200116.jpg

天皇陛下

学舎(まなびや)にひびかふ子らの弾む声さやけくあれとひたすら望む

天皇皇后両陛下には、皇太子同妃両殿下時代より度々子供たちの集う施設や学校などを御訪問になっています。
令和元年六月には、東京都港区の麻布保育園を訪れられ、子供たちが元気に遊ぶ姿を御覧になりました。
また十一月には、愛子内親王殿下がご通学になっている学習院女子中・高等科の文化祭を訪れられ、
中高生の生き生きとした姿を喜ばしく思われました。
この御製は、そのようなおふれあいのたびに、
子供たちの将来が明るくなってほしいと願われるお気持ちをお詠みになったものです。

皇后さま

災ひより立ち上がらむとする人に若きらの力希望もたらす

天皇皇后両陛下には、毎年のように自然災害の被災地をお訪ねになり、
被災された人々と間近にお会いになって励まされています。
平成三十年には、前年の豪雨により被災した福岡県朝倉市を、
令和元年暮れには、十月の台風第十九号等により被災した宮城県丸森町と福島県本宮市を訪れられて、
被災状況をご視察になるとともに、被災された人々をお見舞いになりました。
この御歌は、災害による被害に深くお心を痛められながらも、
各地で高校生など若い人たちが、ボランティアとして後片付けや復旧の手伝いを献身的に行い、
人々に復興の希望と勇気を与えていることを頼もしくお思いになり、お詠みになったものです。


秋篠宮さま

祖父宮(おほぢみや)と望みし那須の高処(たかど)より煌めく銀河に心躍らす

秋篠宮皇嗣殿下が那須御用邸で昭和天皇と香淳皇后にご挨拶にいらっしゃった折、昭和天皇が屋上へ誘われました。
屋上は真っ暗でしたが、空を見上げるとたくさんの星が見えたそうです。
当時の東京よりもはるかに綺麗な空をご覧になって心が躍ったことを想い出され、
このお歌をお詠みになりました。

秋篠宮妃紀子さま

高台に移れる校舎のきざはしに子らの咲かせし向日葵(ひまはり)望む

秋篠宮皇嗣同妃両殿下は、昨秋、東日本大震災の復興状況のご視察と
ラグビーワールドカップ2019日本大会の試合ご観戦のために、岩手県釜石市を訪問されました。
その折、震災後に高台へ移転した小中学校の校舎へと続く長い階段に、
子どもたちが育てたひまわりの鉢が並ぶ様子を下から望まれる機会がありました。
ひまわりに迎えられ、明るい気持ちになられたことを思い出されながら、歌をお詠みになりました。

秋篠宮家長女眞子さま

望月に月の兎が棲まふかと思ふ心を持ちつぎゆかな

眞子内親王殿下は、月にウサギがいるという伝承を幼い頃にお聞きになり、
その情景を想像されたことがおありでした。
年齢を重ねるごとに、そうした想像力が乏しくなるように思われる寂しさと、
豊かな想像力をいつまでも持ち続けることへの憧憬を感じながら、この歌をお詠みになりました。

秋篠宮家次女佳子さま

六年間歩きつづけし通学路三笠山(みかさやま)より望みてたどる

佳子内親王殿下は、赤坂御用地をご散策の折に、御用地内にある三笠山から、
以前通われていた小学校への通学路をご覧になりました。
六年間歩き続けた道を懐かしく思われたお気持ちを歌にお詠みになりました。

常陸宮妃華子さま

ご即位の儀式に望みいにしへの装ひまとひ背(せ)なを正(ただ)せり

三笠宮家寛仁親王妃信子さま

雪襞(ゆきひだ)をさやかに望む富士愛(め)でて平和な御代のはじまりにあふ

寬仁親王妃信子殿下には、日本赤十字社山梨県支部創立百三十周年並びに
日本赤十字社山梨県有功会創立四十五周年記念令和元年山梨県赤十字大会にご臨席のため
山梨県にお成りになりました。
同大会にご臨席になった翌朝、清々すがすがしいお気持ちでお泊所のお部屋の窓辺に立たれると、
雲一つない青空で山には白い雪が美しく積もり、裾野には紅葉が敷き詰められている光景が広がっていました。
これは、地元でも珍しいと言われる光景であり、この歌に、この時の光景を重ね合わせ、
天皇皇后両陛下の新しい御代の平安を願われ、お詠みになりました。

三笠宮家彬子さま

言の葉のたゆたふ湖の水際から漕ぎ出ださむと望月の舟

昨秋、ご友人とお月見をされた折、池に映った月をご覧になって詠まれたものです

高円宮妃久子さま

サッカーに関はりたれば五輪への出場国をひた待ち望む

日本サッカー協会の名誉総裁を務めておられ、
その関係からも令和二年に開催されるオリンピック・パラリンピック出場国を
心待ちにしていらっしゃるお気持ちを詠まれたものです。

高円宮家長女承子さま

初めての展望台にはしやぐ子の父母とつなぎあふ小さな両手

展望台にて、窓際に立つご友人夫妻と二歳のご子息を後ろからご覧になっていた時の様子を詠まれたものです。

https://www.kunaicho.go.jp/culture/utakai/pdf/utakai-r02.pdf


天皇陛下、子供らへの願い詠む 歌会始に皇后さまも出席
長谷文、中田絢子
2020年1月16日 12時47分
新年恒例の「歌会始の儀」が16日午前、皇居・宮殿で開かれた。
今年の題は「望」。天皇、皇后両陛下や皇族方、入選者10人らの歌が詠み上げられた。
皇后雅子さまの出席は、2003年以来17年ぶり。
天皇陛下は、子どもたちの将来が明るくあってほしいと願う気持ちを詠んだ。
陛下は昨年6月、東京都港区の麻布保育園を訪れ、子どもたちが元気で遊ぶ様子を目にした。
同年11月には、長女愛子さまが通う学習院女子中・高等科の文化祭で、中高生の生き生きとした姿を見た。
これらを通して喜ばしく思ったことを歌にしたという。
皇后雅子さまは、自然災害のたびに、被災地で高校生らがボランティアとして後片付けや復旧の手伝いをして、
復興の希望と勇気を与えていることを頼もしく思い、歌に詠んだ。
昨年は台風19号などで被災した宮城県丸森町と福島県本宮市を、
2018年には、前年の豪雨で被災した福岡県朝倉市をそれぞれ訪れた。
秋篠宮さまは、昭和天皇と香淳皇后にあいさつをするために訪れた栃木県の那須御用邸で、
昭和天皇に誘われ、見上げた空にたくさんの星が見えて心が躍ったことを思い出し、詠んだ。
紀子さまは、昨年訪れた岩手県釜石市で、東日本大震災後に高台へ移転した小中学校の校舎へ続く長い階段に、
子どもたちが育てたヒマワリの鉢が並んでいて、明るい気持ちになったことを詠んだ。
(長谷文、中田絢子)
https://www.asahi.com/articles/ASN1J40X4N1BUTIL02P.html