公務の定義

(いちからわかる!)天皇陛下や皇族の活動、何を公務と呼んでるの?
2015年8月11日05時00分

◇国事行為(こくじこうい)や国内外への訪問など。実は、明確な定義はない
コブク郎:天皇陛下(へいか)や皇族方の活動は「公務(こうむ)」と言われるけど、公務って何?

A:実は「公務」に明確な定義はないんだ。天皇陛下の活動をみると、
(1)首相の任命(にんめい)、国会召集(しょうしゅう)など、憲法で定めた
「国事行為(こくじこうい)」(2)国内外各地への訪問、式典出席といった
「公的行為」(3)プライベートな外出や宮中祭祀(さいし)などの
「私的行為」に分けられる。国事行為と公的行為を合わせて「公務」と呼んでいるよ。

コ:区別しにくいね。

A:秋篠宮(あきしののみや)さまは会見などで、天皇陛下の国事行為のみを
「公務」とみなす考えを示している。皇族の場合には「規定のある公務というものはないと
考えていいのだと思います」とも述べ、最近は、自らの活動にも公務という表現を
使っていない。皇族方の間でも認識が分かれているようだ。

コ:皇族方の公的な活動はどうやって決まるの?

A:行事や式典の主催者側からの「願い出」が前提になる。宮内庁によると、
日程や訪問先の内容などを踏まえ、偏(かたよ)らないように訪問歴も参考にするという。
天皇、皇后両陛下の場合、お二人が一緒の三大行幸啓(ぎょうこうけい)と呼ばれる「全国植樹祭」
「国民体育大会」「全国豊かな海づくり大会」など、毎年恒例の行事も少なくない。

コ:被災地訪問や戦没者慰霊(いれい)も数多いね。

A:両陛下や皇族方の意向を踏まえ、宮内庁側から先方に話を持ちかけることも少なくない。

コ:負担を軽くすることも検討されているの?

A:宮内庁が昭和天皇と天皇陛下の公務を同じ年齢で比べたところ、都内や地方への訪問は
約2倍、赴任する大使との面会などは約5倍だった。天皇陛下が「象徴天皇」を模索(もさく)し、
国事行為以外の公的行為を幅広く積み上げてきた結果だろう。
でも、皇后さまとともに80歳以上の高齢で、体調も万全ではない。宮内庁も対策を検討中だ。

(島康彦)
http://www.asahi.com/articles/DA3S11909497.html

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参考

皇太子さま
「やりがいのある公務」発言
(朝日新聞2004年6月10日)
「やりがいある公務で体調回復も」皇太子さま、長官に
宮内庁の湯浅利夫長官は10日、定例の記者会見で、皇太子妃雅子さまの公務について
皇太子さまから「社会の変化に合った皇室の対応も当然あり、やりがいのある公務が望ましい。
そういうことに積極的に関与することで、体調の回復に役立つことも考えられるのではないか」
との話があったことを明らかにした。


秋篠宮さま
文仁親王殿下お誕生日に際し(平成16年)
関連質問
記者
非常に抽象的な質問で申し訳ございません。皇太子様がですね,
今後宮内庁と共にその時代とともに変わる公務の在り方について
考えていきたいというようなことをおっしゃって,
その,皇室全体,やはり時代とともにこう変わってきているんだろうと思うんですね,
そういったものについて,より皇太子妃殿下がですね,
早く回復されるために必要なその皇室全体の何と言いますか方向性。

殿下
直接的な答えにならないかもしれません。
また,その公務とはどういうものかということも,なかなか難しいことだと思います。
私たち皇族は,公的ないろいろな仕事をしていくのは当然なことであると思うのですけれども,
あくまでも私個人としては,自分のための公務は作らない。
つまり自分がしたいことはいろいろあるわけですけれども,
それが公務かどうかはまた別ですね。私は公務というものはかなり受け身的なものではないかなと。
こういう行事があるから出席してほしいという依頼を受けて,
それでこちらもそれが非常に意義のあることであればそれを受けてその務めをする。
私自身はそういうふうに考えて今までずっと来ています。それでよろしいですか。
http://www.kunaicho.go.jp/okotoba/03/kaiken/kaiken-h16.html


文仁親王殿下お誕生日に際し(平成17年)
問4 殿下にお尋ねします。昨年のお誕生日での記者会見で,殿下は公務の在り方について触れられました。
その後,皇太子様が今年2月に「世代間」の考えの違いについて述べられています。
改めて殿下の考える皇族としてのあるべき姿についてお聞かせください。

殿下
昨年の会見の時に,公務の在り方について,私は「受け身」という表現を使いました。
「受け身」という表現が良かったかどうかは別として,
皇族の公的な活動というのは社会からの要請にこたえて行われるべきものであると思います。
その考えは,今も変わりません。そのことを「受け身」という言葉で表現を致しました。
社会からの要請で務めをするとなりますと,
私にとって得手なものもあればそうでないものもいろいろあるわけですね。
しかし,そういうものにできるだけ広くかかわっていくということは,
自分にとっては非常に良い機会でありますし,それらをすることは良い経験にもなっていると思います。
皇族のあるべき姿というのはなかなか難しいと思いますけれども,
私としては,以前にもお話したと思いますけども,
そのようにして要請を受けた仕事,それが良いものであるならば,一つ一つを大切にしていきたいということ,
そしてまた,もう一つでは,時代というものは変わりますので,
できる限りその時代に即した姿というのは大事であると思います。
そしてこれも何度かお話しましたけれども,やはり皇族の役割の大事な一つは,
天皇をサポートすることではないかと思っております。
なお,今質問の中に「世代間」の差というのがありました。
皇太子殿下が「世代間」の差という発言をされたわけですけれども,
あれは私の去年の会見の後ですね,私自身もどういうことなのか今一つ分からなかったので直接聞いてみました。
そうしましたら,「世代間」の差というのは,特に,例えば,
陛下と皇太子殿下の「世代間」の差とか,陛下と私の世代の違い,
又は,これは世代の違いというほどの差はないと思うんですけども,
皇太子殿下と私の世代の差,そういう意味で話をしたわけではなくて,
あくまでも一般論としてのことだという話でした。
公的な活動についてはいろいろな考え方が私はあると思いますけれども,基本的には私は,
要請を受けたものにこたえていくという姿勢を今後も続けたいと思います。
そのような中から,ある特定の分野で更に広がっていくものはあると思いますし,
そこに何らか自分が興味を持ちながら携わっていく,そういう形は大いにあるのではないかと考えております。
http://www.kunaicho.go.jp/okotoba/03/kaiken/kaiken-h17.html