宮内庁が両陛下の公務見直し

2009年
陛下の「おことば」原則なしに 宮内庁がご負担軽減策
2009.1.29 16:18
宮内庁は29日、昨年12月に75歳になられた天皇陛下のご公務、
宮中祭祀をめぐるご負担軽減策を発表した。
全国植樹祭などの各種式典では、ご臨席いただくのみで原則として陛下の「お言葉」をなしとする。
また、11月に行われる「新嘗祭(にいなめさい)」には時間を限って出席いただくなど、
宮中祭祀の行い方も見直すとしている。
それによると、これまで陛下がお言葉を述べられてきた全国植樹祭、
全国豊かな海づくり大会などの各種式典では、今後は基本的にご臨席のみでお言葉をなしとし、
ご出席時間も短縮する。
お言葉を作成する過程でのご負担も考慮しての判断だが、
「お言葉がなくなったとしても、関連する行事の中で陛下のお気持ちは示せる」(風岡典之次長)としている。
ただ、国会開会式や宮中晩餐会など、お言葉が不可欠な式典については従来通り行う。
また、宮中祭祀についても、毎年11月に行われる「新嘗祭」では、
深夜に行われる「暁(あかつき)の儀」には時間を限ってご出席いただく。
また、毎月1日の「旬祭」についてはこれまで陛下ご自身で拝まれてきたが、5月1日と10月1日以外はご代拝とする。
宮内庁では「祭祀については昭和時代にも必要な調整を行っている」(風岡次長)としている。
また、春・秋の勲章等受章者との拝謁も、これまでは勲章の種別ごとに行っていたが、
できるだけ一度に行うことで回数や日程を削減する。
首相級の外国賓客との面会は、原則として公賓や公式実務訪問賓客として訪日する場合に限ってお会いになる。
天皇陛下は昨年12月、不整脈や胃腸にストレス性の炎症が確認されたため、
宮内庁では年末年始のご公務の一部軽減を行っている。
また、これとは別に宮内庁では昨年から、今年1月に平成の時代が20年を超えることを契機に
ご負担軽減を行うことを検討していた。


2011年
天皇陛下:新嘗祭の拝礼短縮へ 負担を軽減
宮内庁は、毎年11月23日に皇居・神嘉殿(しんかでん)で行われる
新嘗祭(にいなめさい)への天皇陛下(77)の拝礼時間を、負担軽減のため短縮する方向で調整を始めた。
陛下は2月の東大病院での心臓検査で、ある程度の動脈硬化が認められた。
新嘗祭は宮中祭祀(さいし)の一つ。収穫祭にあたる最も重要な祭祀として知られ、
陛下は夕方から始まる夕(よい)の儀と、深夜にある暁の儀で拝礼する。
負担軽減からこれまで、暁の儀は時間を区切って拝礼していたが、
同庁は夕の儀も陛下の拝礼時間を短くすることを検討しているという。
昭和天皇は70歳ごろから、公務や宮中祭祀の見直しを始めている。
毎日新聞 
http://mainichi.jp/select/wadai/koushitsu/news/20111028k0000e040077000c.html

天皇陛下:新嘗祭の拝礼時間を短縮 医師の勧めで
宮内庁は1日、毎年11月23日に皇居・神嘉殿(しんかでん)で行われる
新嘗祭(にいなめさい)での天皇陛下の拝礼時間を今年から短縮すると発表した。
2月の検査で心臓に「ある程度の動脈硬化」が認められたことから医師の勧めがあり、短縮を決めた。
毎日新聞 2011年11月1日 19時18分
http://mainichi.jp/select/wadai/koushitsu/news/20111102k0000m040043000c.html

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文藝春秋2011年4月号
■天皇陛下をご多忙にしているのは誰か-祭祀が減り公務が増える
宗教ジャーナリスト・斎藤吉久
今上は推古天皇以降では後亀山天皇と並ぶ、歴代5位のご長寿となられたが、
ご不例後も公務は減るところか増えるばかり。
天皇千年の祈りが、今ほかならぬ側近達によってご負担軽減の美名に隠れて形骸化されようとしている。
敗戦後「皇室の私事」としてしのいできた宮中祭祀はS34年の皇太子ご成婚を契機に改善されてきたが、
S44年頃を境に再び揺り戻し。祭祀簡略化の張本人は入江相政侍従長。
S45,5月に香淳皇后から旬祭の親拝削減ついて抗議を受けたとき、猛反撃してねじ伏せ日記には「くだらない」。
しかし削減理由が「ご高齢」との記述は無し。
争わずに受け入れるのが古来、天皇の帝王学だがも、伝統より相撲観戦を優先するような
俗物侍従長の身勝手きわまる簡略化に陛下は最大限抵抗されたのでは。
祭祀王を自覚する昭和帝は「退位」を口に。
この年の入江日記からは幾度となく譲位・退位を表明されていることが読み取れる。
祭祀破壊の原因が「高齢」でないなら真因は何か。憲法の政教分離問題(当時を知る宮内庁OB)
保守派も革新派も憲法論議と言えば「九条」ばかりで第一条は考えていない。
その結果天皇はさしずめ名目上の単なる「象徴」に成り下がっている。
象徴天皇制について今上はしばしば触れられているが、(渡邉)前侍従長とはニュアンスが異なるのではないか。
前侍従長があくまで現行憲法を起点にした象徴天皇論なら、今上は歴史的背景を踏まえた、
祭祀の力で国と民をまとめ上げてきた長い歴史があるからこその象徴というお考えだろう。
昨年暮れの誕生日会見で陛下は「今のところこれ以上大きな負担軽減をするつもりはない」
頼みとする尊皇家達が沈黙する中、たった一人祭祀の伝統を守ろうとするかのように見える。
陛下は一人で国と民のために祈られている。その文明的価値の重みを深く理解する国民が
一人でも二人でも多くなることを心から願わずにはいられない。


天皇陛下には健康のために公務を減らす発想ないと文芸評論家
2011.09.06 07:00
8月29日、ひとときのご静養を軽井沢と草津で過ごされた天皇・皇后両陛下が還幸啓(ご帰京)。
午後からは早くも御所で執務にあたられた。
天皇陛下にとっても、3月11日の東日本大震災からの半年は激動の日々であられただろう。
皇居にあっては「国民と困難を分かち合いたい」と、自主停電を率先され、
ろうそくや懐中電灯で明かりを灯し、寒い中を厚着することで過ごされた。
また、3月16日には、被災者と全国民に向けて、自ら準備されたメッセージを力強く読み上げられた。
「国民一人びとりが、被災した各地域の上にこれからも長く心を寄せ、
被災者と共にそれぞれの地域の復興の道のりを見守り続けていくことを心より願っています」
 このお言葉に、どれほどの被災者が励まされ、どれほどの国民が復興に向かう勇気を奮い立たせたことだろう。
そして自らは、3月30日に東京武道館に避難した被災者にお見舞いされたのを皮切りに、
美智子皇后とともに7週間連続で避難所や被災地への行幸啓を続けられたのである。
それだけではない。「執務」と呼ばれる上奏書類の決裁や宮中祭祀、式典出席や国際親善など
日々のご公務に加え、原発の安全対策や救援活動、放射線被曝に関するご説明を皇居で受けられてきた天皇陛下。
77歳というご高齢であり、ご病身でもあるだけに、激務に対して国民の間からは健康を案じる声も上がっている。
文芸評論家の富岡幸一郎氏は天皇陛下の御心をこう分析する。
「健康のために公務を減らすという発想は陛下にはないのではないか。むしろ激務であろうが、
その職責を果たすために、自らのご健康に非常に留意され、摂生に努めていらっしゃるのだと思います。
陛下は“何のための健康であるか”を自覚なさっています。自らの命は、国民の幸福を祈りつつ、
日本国および日本国民統合の象徴としての務めを果たすためにあるとお考えなのでしょう。
自分の体でありながら、自分だけの体ではない――さらにいえば、天皇の体、健康は歴史の継承、
歴史の神髄を、前の天皇から預かって、次の天皇に受け渡していく――
その容器であるとお考えなのではないでしょうか」
それはあらゆるものをコントロールできると考え、より快適な暮らし、より健康な身体、
より大きな幸せを手に入れたいという近代的な価値観とは正反対の、
「自分は生かされている」という考え方だ。
※週刊ポスト2011年9月16・23日号
http://www.news-postseven.com/archives/20110906_30252.html

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2016.5.9 19:11更新
両陛下、宮中行事の一部お取りやめ 「年齢にふさわしく」 宮内庁がご公務見直し
宮内庁は9日、天皇、皇后両陛下の公務のあり方を見直し、国や地方の行政機関のトップらが面会し、
懇談する「拝謁」など宮中行事の一部を取りやめられると発表した。
両陛下のご公務の本格的な見直しは平成21年以来7年ぶり。
取りやめられる行事の一部は皇太子ご夫妻が引き継がれる。
宮内庁によると、両陛下がともに80歳を超えたのを機に「年齢にふさわしいご公務のあり方」の検討を始め、
戦後70年の「慰霊の旅」と今年1月のフィリピン訪問を終えられてから具体化。
両陛下にもご相談した上で決定したという。
取りやめられるのは、年間約100回に上る拝謁のうち、都道府県警本部長、地家裁所長らとの10回程度。
都道府県知事との懇談・昼食会や、外国の元首クラスの賓客と会見後に催される昼食会もなくす。
隔年で行う小中学校の校長との拝謁などは皇太子ご夫妻が代わって面会される。
21年の見直しでは、式典でのお言葉を原則としてなくしたほか、宮中祭祀(さいし)の時間を短縮されるなどした。
http://www.sankei.com/life/news/160509/lif1605090025-n1.html


両陛下の公務、拝謁など一部取りやめ 高齢による見直し
島康彦、多田晃子
2016年5月9日21時46分
宮内庁は9日、天皇、皇后両陛下の公務について、
皇居であいさつを受ける「拝謁(はいえつ)」など一部を取りやめると発表した。
両陛下ともに80歳を超えたことから「ご年齢にふさわしいご公務のあり方」
(宮内庁の山本信一郎次長)を検討した結果だといい、
両陛下の了承も得られたという。両陛下の体調に問題はないとしている。
宮内庁によると、年間約100回に及ぶ拝謁を中心に見直したという。
全国の警察本部長や検事正、市町村議会議長との面会など8件を取りやめ、
小中学校長との面会など4件を「未来を担う子どもたちに直接かかわる」などとして
皇太子ご夫妻に引き継ぐ。外国元首らが公式実務訪問賓客として来日した際は、会見だけにする。
両陛下が昨年皇居で面会したのは約270件、地方などへの訪問も75回を数える。
両陛下の公務をめぐっては、式典での「お言葉」を基本的に取りやめるなど、
2009年にも見直しをしてきた。(島康彦、多田晃子)

■天皇、皇后両陛下の公務見直し
【取りやめる公務】
●拝謁(はいえつ)
・警察大学校警部任用科学生(年3回)
・全国警察本部長等
・全国検事長及び検事正等
・地方裁判所長及び家庭裁判所長
・全国市議会議長会総会に出席する市議会議長等(隔年)
・全国町村議会議長(10年ごと)
・自衛隊高級幹部会同に出席する統合幕僚長等
●午餐(ごさん)
・総務大臣始め知事とのお話・午餐

【皇太子ご夫妻に引き継ぐ公務】
●拝謁
・小学校長会理事会に出席する小学校長(隔年)
・中学校長会総会に出席する中学校長(隔年)
●接見
・国際緊急援助隊(不定期)
・国際平和協力隊(不定期)
http://www.asahi.com/articles/ASJ595HX4J59UTIL04J.html