共産党が皇室に急接近

【高木桂一の『ここだけ』の話】
2015.6.16 11:00更新
共産党が皇室に急接近した瞬間を激写!!「次の狙いは佳子さまだ」 
でも国歌斉唱では口を閉ざしたまま…
さる5月25日に開かれた千鳥ケ淵戦没者墓苑拝礼式で、
共産党の小池晃副委員長が秋篠宮ご夫妻と同席した。
皇室への“接近”をはかる革命政党の戦略を示すものだが、
産経新聞は拝礼式での「歴史的瞬間」をカメラに収めた。
そこで見えたのは、共産党の隠しきれない“本性”だった。
厚生労働省が主催する拝礼式は昭和40年から皇室の方々が臨席されて毎年開かれている。
各政党は欠かさず代表者を出席させてきたが、共産党は昨年5月26日の拝礼式に初めて参列し、
小池氏が代表として秋篠宮ご夫妻の長女、眞子さまと同席した。
共産党は皇族の方々が臨席されるため約50年の長きにわたって拝礼式への参列を見送ってきたが、
昨年、ついに「禁」を破ったのだ。
これまで皇室と距離を置いてきた共産党にとっては
史上初めて能動的に皇室の方々と同じ舞台に立つという歴史的な出来事だった。
厚労省の担当者も事前に共産党から「出席」を伝えられ、耳を疑ったほどの“事件”だった。
このところ国政選挙で「躍進」を続けて意気上がる共産党だが、
志位和夫委員長ら指導部がさらなる党勢拡大に向け
「共産党イコール天皇制打倒」のイメージを抱く
多数の国民の“共産党アレルギー”をやわらげることが不可欠だと判断していることは言うまでもない。
「機関紙『しんぶん赤旗』の部数は増えていないのに、選挙の得票は増えている」と共産党関係者はいう。
従来のコアな支持層以外の有権者が共産党になびいてきているという分析だが、
“ゆるい支持層”をさらに引き寄せるには「普通の政党」「大衆政党」といったイメージを拡散していくことが
この党の重要な戦略になっている。皇室との距離を縮める路線はまさにその戦略に沿ったものだ。
ところが昨年5月の歴史的な出来事に関して当時は産経新聞を含めて、
どのマスコミも報じることがなく、見逃してしまった。
共産党幹部に後日、「拝礼式に取材に来ていた記者さんたちも
みんな気がつかなかったねぇ…」と皮肉を言われたほどだ。
ならば“1年遅れ”ででも歴史的な現場に立ち会うしかない。
筆者は、2年連続で千鳥ケ淵戦没者墓苑拝礼式に出席した小池氏の姿を追った。
5月25日正午すぎ、安倍晋三首相のほか、塩崎恭久厚労相や岸田文雄外相ら
閣僚、自民党の棚橋泰文幹事長代理、公明党の山口那津男代表、民主党の岡田克也代表、
維新の党の松野頼久代表、次世代の党の平沼赳夫党首、
社民党の吉田忠智党首ら各党代表の中に小池氏がいた。
総勢約600人の参列者が、秋篠宮ご夫妻が到着されるのを待っていた。
やがて秋篠宮ご夫妻をお迎えし、式典が始まる。ご夫妻と数メートル離れた位置に立った小池氏。
冒頭の国歌斉唱の際には起立していたものの、口はしっかり閉ざしたままだった。
周囲がみな「君が代」を斉唱するなか、ただ一人「われ関せず」の模様はやはり異様だった。
小池氏は拝礼式後、「君が代」斉唱を拒否した理由について「内心の自由だから」と筆者に語った。
むろん「君が代」を国歌とすることに強硬に反対し続けている共産党の幹部としては
文字通り“レッド・ライン”なのである。
政府・与党が「日の丸」を国旗に、「君が代」を国歌に
それぞれ法制化する方針を決めた平成11年3月のことだ。
いずれも容認しない共産党の不破哲三委員長(当時)は、
「君が代」反対の理由を党の見解としてこう表明した。
「『君が代』という歌は、千年以上前の作者の意に反して、
明治以後、天皇の統治をたたえる歌という意味づけを与えられてきた。
『君が代は千代に八千代に』、つまり“天皇統治は永久であれ”という歌だから、
今の憲法の国民主権の原則と全く両立することはできない」
この不破見解は現在も共産党の公式な立場となっているというから、さすがに党幹部が歌うわけにはいかない。
最近も『赤旗』の「主張」(一般の新聞の社説に相当)で
「『君が代』の強制 いったい誰のための式なのか」(今年3月1日付)、
「大学と国旗・国歌 許されぬ学問と自治への介入」(同5月4日付)と、
「君が代」への拒絶を叫び続けている。
共産党の皇室戦略転換の大きな胎動となったのは、平成16年1月の第23回党大会だ。
昭和36年の第8回党大会で採択した党の基本的文書である綱領(いわゆる「宮本綱領」)を全面改定し、
天皇制について「民主主義及び人間の平等の原則と両立しない」と反対姿勢を堅持しつつも、
「君主制を廃止」というそれまでの表現を削除した。
天皇が「憲法上の制度であり、その存廃は、将来、情勢が熟したときに、
国民の総意によって解決されるべきもの」と明記し、天皇制との共存を容認した。
当時、不破氏が議長として主導したソフト・イメージ路線の象徴だった。ある共産党関係者はこう漏らす。
「佳子さまとの“接点”がもてれば党の大きなイメージアップになる。次の狙いは佳子さまだ」
つまり国民的人気のある秋篠宮ご夫妻の次女、佳子さまの公務で党幹部が同席する機会がつくれれば、
共産党にとってはメガトン級の得点になると皮算用しているのだ。
しかし計算ずくで皇室にじわじわと近寄りながら、
一方で「天皇統治体制が永久に続くことはまかりならぬ」と「君が代」をかたくなに拒否する、
この党の二重基準は何なのか。
5月25日の千鳥ケ淵戦没者墓苑拝礼式で明確になったのは、
皇室を事実上利用してどれだけ「普通の政党」を偽装しようが、
革命政党の本質は変わらないということである。
ちなみに「赤旗」は翌5月26日付で「千鳥ケ淵で戦没者拝礼式 小池副委員長が献花」という見出しで
記事を掲載したが、記事では秋篠宮ご夫妻が臨席されたことには一切触れていない。
「実は『赤旗』編集局も昨年5月に小池氏が拝礼式に参列したことを
後日知ったため記事にならなかった。
今年初めて取材し記事にした」(共産党関係者)という。
党内には「天皇制打破」を強硬に主張し続けている古参党員も少なくないと聞く。
“皇室への接近”は、多くの党員が目にする機関紙への掲載をはばかる「不都合な真実」なのかもしれない。
(政治部編集委員 高木桂一)
http://www.sankei.com/politics/news/150616/plt1506160002-n1.html