再燃 女性宮家、女性天皇の検討

安定的な皇位継承の確保を検討 男系継承を慎重に模索
2019.4.1 18:48政治政策
新元号が「令和(れいわ)」と決まり、皇太子さまが5月1日に新天皇に即位されることで、
政府は「そんなに時間を待たないで」(菅義偉(すがよしひで)官房長官)
安定的な皇位継承を確保する検討に入る。
これまで125代にわたり一度の例外もなく受け継がれてきた皇室の伝統にのっとり、
父方の系統に天皇を持つ男系の男子による皇位継承維持を慎重に模索する。
「(旧11宮家の皇籍離脱は)70年以上前の出来事で、
皇籍を離脱された方々は民間人として生活を営んでいる。
私自身が(連合国軍総司令部=GHQの)決定を覆していくことは全く考えていない」
安倍晋三首相は、3月20日の参院財政金融委員会でこう述べた。
これが首相が旧宮家の皇族復帰に否定的な見解を示したと報じられたが、首相は周囲に本意をこう漏らす。
「それは違う。私が言ったのは『旧宮家全部の復帰はない』ということだ」
また、首相が女性宮家創設に傾いたのではないかとの見方に関しても「意味がない」と否定している。
そもそも皇室典範は「皇位は男系の男子が継承する」と定めており、
女性宮家を創設しても皇位継承資格者は増えないからだ。
典範改正で女性宮家の子孫も皇位継承資格を持つようにするというのなら、それは女系継承容認につながり、
皇室の伝統の歴史的な大転換になる。
首相官邸筋は「天皇陛下の周りも、女系天皇をつくろうという気は全くない」と明言し、政府高官もこう指摘する。
「女性宮家は(女性皇族の)みなさんもそれは避けたいのではないか」
現在、男系の男子である秋篠宮家の長男、悠仁さまが皇位継承順位3位だが、
仮に女系天皇を認めた場合にはどうなるか。現在は継承権のない皇太子さまの長女、愛子さまとの間で
「どちらにより正統性があるかが問われ、とんでもない事態になる」(別の政府高官)との懸念もある。
一方、戦後にGHQの皇室弱体化の意向で皇籍離脱した旧宮家の復帰に関しては、
現皇室との血の遠さを強調する意見がある。
だが、皇位はこれまで直系ばかりで継承されてきたわけでは決してない。
「旧皇族から適格者に何人か皇族に復帰してもらい、その方自身には皇位継承権は付与せず、
その子供から継承権を持つというのはどうか」
首相官邸内では、こんなアイデアもささやかれている。(阿比留瑠比)
https://www.sankei.com/politics/news/190401/plt1904010045-n1.html

皇位継承議論、来春先送り浮上=儀式さなかの過熱懸念-政府
2019年04月17日07時13分
女性宮家創設を含む安定的な皇位継承の在り方に関する議論の開始時期をめぐり、
政府内で来春の「立皇嗣の礼」以降に先送りする案が16日、浮上した。
今月30日の天皇陛下退位に伴う一連の儀式が続いている間に、
論争が過熱するのは好ましくないとの判断からだ。
皇位継承資格を持つ男性皇族は減少しており、対処策の検討は急務。
議論を1年近く先送りすれば、野党などから批判が出そうだ。
皇位継承の安定化について、退位特例法の付帯決議は「政府は(4月30日の)本法施行後速やかに検討を行い、
その結果を国会に速やかに報告すること」と定めている。
菅義偉官房長官も「即位後、そんなに時間を待たないで」と語っている。
ただ、こうした検討を行う場合、2005年に小泉純一郎首相(当時)の私的諮問機関が提唱した
女性・女系天皇容認や女性宮家創設の議論を避けて通れない。
安倍晋三首相の支持基盤である保守派は伝統に反する女系天皇などに反対しており、
議論を始めれば激しい論争になる可能性が高い。
天皇陛下の退位に伴い、憲法上の国事行為として行われる儀式は、4月30日の「退位礼正殿の儀」から、
秋篠宮さまが皇位継承順位1位になったことを示す来年4月19日の立皇嗣の礼まで続く。
政府筋は「議論が紛糾しては困る。立皇嗣の礼が終わってから始める」と語った。
 先送りの方向性は、夏の参院選を前に党内を二分する論争を避けたい自民党の思惑とも合致する。
大島理森衆院議長は15日の講演で「今年の一連の儀式が終わった後、
政府は(皇位継承)問題に取り組んでほしい」と語り、今秋にも検討に入るよう求めた。
一方、「1年近い先延ばしは理解を得られない」(政府関係者)との声も根強く、
政府は世論の動向を見極めながら、議論の開始時期を探ることになりそうだ。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019041600990&g=pol

官房長官 女性宮家創設など「慎重に検討」
2019年5月1日 10時21分
女性宮家の創設などへの対応について、菅官房長官は臨時閣議のあとの記者会見で
「男系継承が古来、例外なく維持されてきた重みなどを踏まえ慎重に検討を行う必要がある」としたうえで、
まずは一連の式典が円滑に行われるよう全力を尽くす考えを示しました。
この中で菅官房長官は皇族数の減少や女性宮家の創設などへの対応について、
「国家の基本に関わる極めて重要な問題だ。男系継承が古来、例外なく維持されてきた重みなどを踏まえ、
慎重かつ丁寧に検討を行う必要がある」と述べました。
そのうえで「政府としては、まずは天皇陛下のご即位に伴い、一連の式典が国民の祝福の中で、
つつがなく行われるよう全力を尽くし、そのうえで衆参両院の委員会で可決された
付帯決議の趣旨を尊重して対応してまいりたい」と述べました。
今回の皇位継承を実現するために制定された特例法を審議した衆参両院の委員会では
安定的な皇位継承を確保するための課題や、女性宮家の創設などについて、
政府に対し、速やかに検討することを求める付帯決議が可決されています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190501/k10011902851000.html

維新が「女性宮家」を検討へ
2019.5.8 15:43
日本維新の会の馬場伸幸幹事長は8日の記者会見で、女性皇族が結婚後、宮家を立てて皇室に残り、
皇族として活動する「女性宮家」の創設に関する党内議論を開始すると述べた。
「不測の事態に備え、きちんと国会で議論し、皇室典範などの改正が必要であれば、
そのような働きかけも行っていかなければならない」と強調した。
「女性宮家」の創設については「過去に例のない女系天皇への道が開ける」として
保守派を中心に慎重論が根強い。
https://www.sankei.com/politics/news/190508/plt1905080010-n1.html

【産経・FNN合同世論調査】女性天皇と女系天皇の違い、「理解せず」過半数
2019.5.13 22:04
産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)の合同世論調査では、
皇室伝統の一大転換となる女系天皇について、「賛成」との回答が64・2%に達した。
ただ、女性天皇と女系天皇の違いに関しては「理解していない」との回答が過半数で、
問題の所在はまだ国民に十分周知されていない。
126代続く皇室の歴史では、皇位は例外なく父方の系統に天皇を持つ「男系」で継承されてきた。
皇室典範も「皇位は、皇統に属する男系の男子がこれを継承する」と定める。
現在、歴史的にも法的にも正統な後継者がいるにもかかわらず、女系天皇容認論が再び浮上したのはなぜか。
もともと女性・女系天皇容認論は平成17年、
当時の小泉純一郎首相が設置した皇室典範有識者会議が打ち出した。
若年の男性皇族がいなくなっていたためだ。
小泉首相もそのため、典範改正を急ぐ姿勢を示していたが、
秋篠宮家に男系男子である悠仁さまが誕生されたことで、立ち消えとなった。
当時も知る現在の政府高官は語る。
「現在は悠仁さまがいらっしゃる。だから、今回の調査結果であまり驚く必要はない。
女性宮家創設といっても、女性皇族方はそれを望んでいないだろう」
小泉政権時を振り返ると、当初は国会議員もマスコミも女性・女系天皇の相違や
男系継承の歴史などをよく知らずに賛意を示したこともあった。事実関係を知るにつれ、
徐々に慎重論や反対論が強まっていった。
一方、今回の世論調査結果をみると、女性天皇と女系天皇の区別がよくついていない実態が浮き上がる。
こうした理解の浅さや、過去に女性・女系天皇容認論が後退した経緯が忘れられたことも、
調査結果に表れているのだろう。
調査を支持政党別に見ると、女系天皇に「賛成」とする回答は
立憲民主が71・1%で、自民も62・3%と高い。
女性宮家創設への賛成者は自民67・8%、立憲58・2%と
むしろ自民支持者の方が10ポイント近く高い。
また、設問によってこれらとは矛盾するような結果も表れている。
男系男子の皇族を増やすため、戦後に皇籍離脱した旧宮家の復帰を認めてもよいかとの質問に対しては、
「認めてもよい」(42・3%)が「認めない方がよい」(39・6%)を上回った。
旧宮家をはじめとする男系男子の血統を持つ人々の皇籍復帰や養子縁組案については従来、
「長年民間で暮らしていることから国民の理解は得られない」との指摘が
有識者や政府、マスコミらから出ていた。
ところが、国民意識は必ずしもそうだとはいえない。
もっとも、男系男子の皇籍復帰への賛否は支持政党のカラーが出ており、
自民の賛成50・7%(反対35・2%)に対し、
立憲は賛成31・3%(反対57・0%)だったのは特徴的だった。(阿比留瑠比)
https://www.sankei.com/politics/news/190513/plt1905130024-n1.html

【社説検証】天皇陛下ご即位 産経「旧宮家の皇籍復帰を」
2019.5.15 08:13
■読毎「女性宮家の創設」検討
まぶしい新緑の中で天皇陛下が即位され、令和時代が幕を開けた。
国民統合の象徴として重い責務を担う天皇陛下は、宮中祭祀(さいし)に臨むなど
活動を本格的に始められている。新たな皇室像に対する期待が高まる一方で、
安定的な皇位の継承は国全体にとって大きな課題でもある。
激動の昭和から混迷の平成を経て令和を迎え、各紙とも喜びと懸念が入り交じる社説となった。
産経は「日本の国柄の最大の特徴は、天皇と国民が共に歩み、長い歴史を紡いできた点にある」と指摘した。
202年ぶりの譲位についても
「天皇が代を重ねられることは、国民にとって大きな喜びである。
ご即位をお祝い申し上げたい」と祝意を表した。
天皇陛下は即位後朝見の儀で、
「憲法にのっとり、日本国及び日本国民統合の象徴としての責務を果たすことを誓う」と述べられた。
読売は「初のお言葉には、国民と苦楽を共にする決意が込められている」と強調した。
そのうえで「今回の退位に伴う皇位継承の一連の儀式が、憲法との整合性を取りつつ、
滞りなく執り行われたことを歓迎したい」と粛然と進められた譲位を評価した。
一方、今後のご活動について論考したのが毎日だ。
天皇陛下は1983(昭和58)年から約2年にわたり、英オックスフォード大学に留学されたことなどに触れ、
「この経験が視野を世界に広げることにつながった。
外交官出身の新皇后雅子さまとともに豊かな国際感覚を生かし、
諸外国との交流にも一層力を尽くすだろう」と期待を寄せた。
朝日は「自然体で日々の活動を重ねるうちに、新天皇の持ち味が醸し出されてゆくに違いない」と指摘した。
そのうえで「国民の側も、皇室にいかなる活動を、どこまで求めるのかを考え続け、
憲法からの逸脱や無理がないか、不断に検証する必要がある」と注文した。
令和時代を迎えた皇室の大きな課題は、安定的な皇位継承である。
皇位を継承する資格のある皇族は、皇嗣となられた秋篠宮殿下とそのお子さまの悠仁さま、
そして常陸宮さまの3方だ。これは戦後最少であり、皇位の安定的な継承が揺らぎかねないとの懸念がある。
産経は「古代から現代まで、一度の例外もなく貫かれてきた大原則は男系による継承である」と指摘し、
「この原則が非皇族による皇位の簒奪(さんだつ)を防ぎ、万世一系の皇統を守ってきた。
女系継承は別の王朝の創始に等しく、正統性や国民の尊崇の念が大きく傷つく」と強く訴えた。
さらに「今も親族として皇室と交流のある旧宮家の皇籍復帰により、
皇室の裾野を広げるよう検討してもらいたい」と提案した。
これに対し、毎日は「右派の人は男系男子でなければ天皇制の性格が根本から変わると主張する。
しかし、男女のどちらを優先するかなどの問題ではなく、天皇制そのものの危機である」と強調し、
女性宮家の創設を求めた。読売も「安定的な皇位継承と皇室の維持を実現する上で、
女性宮家の創設などを検討していくべきだ」と訴えた。
また、朝日は「男系男子だけで皇位をつないでいくことの難しさは、かねて指摘されてきた。
しかし、その堅持を唱える右派を支持基盤とする首相は、この問題についても議論することを避けている。
日ごろ皇室の繁栄を口にしながら、実際の行動はその逆をゆくと言わざるを得ない」と首相批判を展開した。
女性宮家を創設しても、一時的に皇族の減少を防ぐだけで、皇位継承資格者が増えるわけではない。
その配偶者の位置付けも不透明だ。もし女性宮家当主やその子孫に皇位継承資格を与えれば、
それは歴史の転換だ。日本の将来に禍根を残すような道は選ぶべきではない。(井伊重之)

                   ◇
 ■天皇陛下ご即位に関する主な社説■ 
 【産経】
 ・新時代のご決意支えたい/伝統踏まえ安定継承の確立を(2日付)
 【朝日】
 ・等身大で探る明日の皇室(1日付)
 【毎日】
 ・令和の象徴像に期待する(2日付)
 【読売】
 ・時代の幕開けを共に祝いたい/象徴の在り方の継承と模索と(2日付)
 【日経】
 ・社会の多様性によりそう皇室に(1日付)
https://www.sankei.com/column/news/190515/clm1905150004-n1.html

国民民主・玉木氏「愛子さまがつなぐこと考えるべき」 皇位継承
2019.6.2 18:48
国民民主党の玉木雄一郎代表は2日、高松市で講演し、安定的な皇位継承策をめぐり
「男系の女性天皇は認めるべきだ。(天皇陛下の長女)愛子さまが、
悠仁さまにつなぐことを考えるべきではないか」と述べた。
戦後に皇籍を離れた「旧宮家(旧皇族)」の皇族復帰も検討課題に挙げた。
皇室典範は、皇位継承資格者を「男系男子」に限定している。
玉木氏は男系維持を強調した上で「旧宮家」の復帰について
「どれだけ現実性があるか考えなければならない」と見解を示した。
https://www.sankei.com/life/news/190602/lif1906020032-n1.html

共産 志位委員長「女性天皇も女系天皇も認められるべき」
2019年6月6日 17時50分
共産党の志位委員長は、記者会見で、皇位の継承資格について、
「男性に限定する合理的根拠はないはずだ」と述べ、
女性天皇や女系天皇も認められるべきだという考えを示しました。
この中で、志位委員長は「天皇の制度は、憲法上の制度であり、その存廃は将来、情勢の熟したときに、
国民の総意で解決されるべきだ」と述べました。
そのうえで、皇位の継承資格について、「憲法上、天皇はさまざまな性、思想、民族など
多様な人々によってまとまりをなしている日本国民の象徴であり、
男性に限定するという合理的根拠は、どこにもないはずだ。
女性天皇も女系天皇も認められるべきだ」と述べました。
また、記者団が「今後、党として、そうした考えを積極的に主張していくのか」と質問したのに対し、
志位氏は「皇室典範の改正案が提起された場合には、憲法との適合性を唯一の基準にして判断する」と述べました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190606/k10011943351000.html

「男系の女性天皇」容認 国民民主の皇室典範改正案
2019.6.10 23:09
国民民主党が安定的な皇位継承策としてまとめた皇室典範改正案の全容が10日、判明した。
男系の女性天皇を容認することが柱で、女系天皇は「時期尚早」として認めず、あくまで男系を維持する。
近く党内手続きに入り、今国会での提出を目指す。夏の参院選公約にも盛り込む。
現行の皇室典範は、皇位継承資格を「男系の男子」に限定しているが、
国民民主党の「皇位検討委員会」(座長・津村啓介副代表)がまとめた改正案では「男系の子孫」と変更し、
男系の女性天皇は認める内容とした。きょうだいの中では男子を優先する。
改正案によれば、皇位継承順位は1位が天皇、皇后両陛下の長女、敬宮愛子さま、2位が秋篠宮さま、
3位が秋篠宮ご夫妻の長男、悠仁さまとなる。女性天皇の配偶者も皇族とすることを定め、敬称を「皇配」とした。
https://www.sankei.com/politics/news/190610/plt1906100034-n1.html

自民・岸田氏「男系天皇は歴史、伝統の大きな重み」
2019.6.12 17:35
自民党の岸田文雄政調会長は12日の記者会見で、皇位継承について
「男系天皇の存在は理屈ではなく、
長い間、歴史・伝統を守り続けてきた点で大きな重みを持っている」と述べ、
父方の系統に天皇を持つ男系の重要性を強調した。
岸田氏は、これまでにも党としてヒアリングや議論などを重ねてきたことに触れ、
「国民の関心や理解の度合いも注視しながら、
必要であれば議論を行うことも考えていかなければいけない」と説明した。
皇位継承をめぐっては、立憲民主党が皇位継承資格を
「女性・女系の皇族」に拡大する考えを打ち出しているほか、
共産党も女性・女系天皇に賛成する立場を明らかにしている。
https://www.sankei.com/life/news/190612/lif1906120032-n1.html

日経、毎日、東京、朝日 「女性天皇」容認に軸足
【論調比較・皇位継承】産経は明確に反対 読売は踏み込まず
公開日: 2019/05/15 (政治)
新天皇陛下の即位に伴い、皇位継承資格のある男性皇族は4人からわずか3人になった。
現状のままでは皇族数の先細りは避けられず、
安定的な皇位継承をいかに確保していくか、大きな課題になっている。
安倍晋三政権は即位に関する一連の式典が終わる11月以降に議論を開始する方針だが、
父方の祖先に天皇がいる「男系男子」による皇統維持を巡り、議論の難航は必至だ。
2017年6月に成立した退位特例法の付帯決議は、結婚後も女性皇族が皇室に残る女性宮家の創設などを含む
安定的な皇位継承を確保する諸課題について、政府に対して「法施行後速やかに」取り組むよう促した。
「法施行後」、つまり代替わりが実現したいま、政府は具体的な対応を迫られている。
菅義偉官房長官は令和初日の5月1日の会見で、「女性皇族の婚姻等による皇族数の減少などについては、
皇族方のご年齢からしても先延ばしできない重要な課題であると認識している。
男系継承が古来例外なく維持されてきたことの重みなどを踏まえながら、
慎重かつ丁寧に検討を行う必要がある」と述べ、
時期については「即位に伴う一連の式典がつつがなく行われるよう全力を尽くし、
その上で対応したい」として、秋以降に検討を本格化させる考えを示している。

皇位継承に関するこれまでの経緯と議論の流れをおさらいしておこう。
1947年に憲法と同時に施行された皇室典範は、
「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する」と定めている。
父方が天皇の血を引く男系の男子しか天皇になれないということで、明治憲法下の旧皇室典範の規定を引き継いだ。
併せて、皇族の女性については「天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは、皇族の身分を離れる」と規定している。
この際、明治天皇の直系男子ではない11の宮家が、皇族から離れたが、
皇室の次世代の男子として当時皇太子だった前の陛下とその弟である常陸宮さまのほか、
昭和天皇の弟の秩父宮さま(53年逝去)、高松宮さま(87年逝去)、三笠宮さま(2016年逝去)らも健在だった。
1960年に新陛下、65年に秋篠宮さまが相次いで誕生し、皇位継承資格者が不足する事態は想定されていなかった。
ところが秋篠宮さま以降、約40年間も皇室に男子が誕生せず、対応が待ったなしになった。
小泉純一郎政権は2005年、「皇室典範に関する有識者会議」を設け、1月から議論を始め、
11月まで開いた計17回の内容を報告書にまとめた。新陛下の長女愛子さまが4歳を迎える時期で、
愛子さまを念頭に、女性皇族にも皇位継承資格を広げるのが眼目。報告書は、側室制度がなく、
男系男子で皇位を安定的に継承するのは「極めて困難」と結論づけ、
女性天皇や父方が天皇の血筋でない女系天皇を容認すれば、
「世襲という最も基本的な伝統を安定的に維持」できるようになり、
「象徴天皇制度の安定的継続を可能にする」とし、
皇位継承順については、男女の別なく長子優先とすることが
「制度としてわかりやすく、優れている」との判断も示した。
ところが、2006年9月の悠仁さま誕生で男系継承が途絶える危機はひとまず去り、
女性・女系天皇論議は小泉政権を引き継いだ第1次安倍政権で立ち消えに。
その後、野田佳彦政権が2012年、
女性皇族が結婚後も皇室にとどまる「女性宮家」創設を含む論点整理をまとめたが、
再び第2次安倍政権に交代してうやむやになった。
現状は、次世代で皇位継承資格があるのは悠仁さまだけで、次世代の女性皇族6人のうち5人は成人していて、
結婚すれば皇室を離れることになり、皇位継承はもちろん、宮家の絶対数不足も避けられず、
皇室の先細りが強く懸念される事態だ。
だが、安倍政権は議論に消極的だった。安倍首相自身が従来、「女系天皇には明確に反対」と公言。
首相に限らず、女性宮家を認めることが「125代続いてきた皇位継承の伝統を根底から覆しかねない」というのが、
保守派の主張だ。
代替わりにあたって、主要紙は社説で様々な角度から皇室を論じ、皇位継承問題にも言及している。
最も明快な論議を展開するのが、保守派を代弁する産経で、
2日「主張」(https://www.sankei.com/column/news/190502/clm1905020002-n1.html)は
<古代から現代まで、一度の例外もなく貫かれてきた大原則は男系による継承である。
父方をさかのぼれば天皇を持つ皇族だけが皇位継承の資格がある。
この原則が非皇族による皇位の簒奪(さんだつ)を防ぎ、万世一系の皇統を守ってきた。
女系継承は別の王朝の創始に等しく、正統性や国民の尊崇の念が大きく傷つく>として、
「処方箋」として、<今も親族として皇室と交流のある旧宮家の皇籍復帰により、
皇室の裾野を広げるよう検討してもらいたい>と要求する。
ただ、旧「宮家」とはいっても、「一般人」になって70年以上が過ぎている。
保守派の間では就学中の男子を常陸宮さまなどの養子にし、「帝王学」を教育するといった構想も語られるが、
当の旧宮家の人たちの同意、また国民の共感・支持を得るのは容易でないだろう。
安倍首相も2017年1月の国会答弁で「対象者全てから拒否されることもあり得る」と難しさを認めている。
他の各紙は、断定的に論じるのは慎重に避けているが、
その中で東京(3日、https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019050302000152.html)が
<「男系男子」の規定は明治以降のことで、江戸時代までは女性天皇も、
天皇に養子を迎えることも許されていた。
歴史上では女性天皇が八人(十代)いた。……明治以降の「男系男子」の定めも、
時代とともに国民意識が変わり、女性の天皇の容認などに広がるのではないか。
男女平等の憲法の下では、ふさわしいとも考えられる>と、
ふわりとした言い方で女性天皇容認のニュアンスを出している。
毎日(5月2日、https://mainichi.jp/articles/20190502/ddm/005/070/033000c)も
<最も重要な論点は「女性・女系天皇」を認めるかどうかだ。
……右派の人は男系男子でなければ天皇制の性格が根本から変わると主張する。
しかし、男女のどちらを優先するかなどの問題ではなく、天皇制そのものの危機である。
……イデオロギーの対立を超えて、建設的な議論を進めるのは政治の責任である>、
日経(1日、https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44369560Q9A430C1SHF000/)も
<長い歴史と伝統を尊重しつつも、社会の変化に柔軟に対応する皇室の姿を
多くの国民は待ち望んでいるのではなかろうか>と、女性容認に軸足を置いた議論を求める。
朝日(5月1日、https://digital.asahi.com/articles/DA3S13998717.html?iref=editorial_backnumber)も
同様のスタンスと読めるが、特に、
<男系男子だけで皇位をつないでいくことの難しさは、かねて指摘されてきた。
しかし、その堅持を唱える右派を支持基盤とする首相は、この問題についても議論することを避けている。
日ごろ皇室の繁栄を口にしながら、実際の行動はその逆をゆくと言わざるを得ない>と、
検討を先送りしてきた政権を批判する。
これに対し読売(2日、https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20190501-OYT1T50328/)は
<代替わりにより、皇位継承権を持つ男性皇族は3人に減り、……今後、結婚により、
女性皇族の皇籍離脱が予想され、公務の担い手が減るのは避けられない。
安定的な皇位継承と皇室の維持を実現する上で、女性宮家の創設などを検討していくべきだ>と、
「女性宮家」にさらりと言及するにとどめ、女性天皇には踏み込まなかった。
以上のように、今後の検討は、女性天皇容認の是非が中心になる。
世論の方向ははっきりしている。朝日新聞が代替わりを前に4月に実施した世論調査では、
女性天皇は76%、女系天皇は74%が、それぞれ認めてもよいと回答し、
男性天皇に限る19%、男系維持21%を大きく上回った。
共同通信の調査(5月1、2日実施)でも女性天皇を認めることに賛成79.6%、反対13.3%。
女性天皇支持が圧倒的。
これらの調査で皇籍復帰の設問はないが、退位問題が持ち上がった2017年の朝日と共同通信の世論調査では、
皇籍復帰に反対がそれぞれ67%、72%、賛成がそれぞれ20%、22%という結果だった。
「男系堅持」を訴える支持基盤の保守派と、「女性、女系」を容認する世論の板挟みという構図だが、
小泉政権で一度出た結論をどう踏まえ、どのように議論していくのだろうか。
長谷川 量一 (ジャーナリスト)
https://socra.net/politics/【論調比較・皇位継承】産経は明確に反対%E3%80%80読売/

【新聞に喝!】今なぜ「女系天皇」なのか 作家・ジャーナリスト 門田隆将
2019.6.23 08:46
皇室打倒を掲げていた共産党と、自身の著書でかつて皇室を
「生理的にいやだと思わない? ああいう人達(ひとたち)というか、
ああいうシステム、ああいう一族がいる近くで空気を吸いたくない」と語った辻元清美氏が
国対委員長を務める立憲民主党が相次いで女系天皇容認を打ち出した。
皇嗣である秋篠宮文仁(ふみひと)親王と悠仁(ひさひと)親王という皇位継承者がいるのに
皇室典範を改正してまで「女系天皇を誕生させよう」というのである。
両党の背中を押しているのは朝日と毎日だ。
朝日が女性・女系天皇容認を提言した小泉政権下の有識者会議メンバーの
「あの時、議論を止めるべきではなかった」という言葉を紹介してこれを推進すれば(4月23日付)、
毎日は「前近代までは確固とした皇位継承原則がなかった」という
確定した学説でもない研究者の言葉を引用した上で、
〈「男系継承が古来例外なく維持されてきたことの重み…」。
3月の参院予算委での安倍晋三首相の答弁の一部である。
ぜひ、正確な歴史認識の共有の下、議論を進めたいものだ〉と男系継承を批判した(5月16日付夕刊)。
これに違和感を持った人は多いだろう。
2000年にわたる皇統の唯一のルール「男系」を否定するものだからだ。
先人は男系で皇統を維持するために涙ぐましい努力を続けてきた。
第25代武烈天皇が後嗣を残さず崩御した際、越(こし)の国(現在の福井県)から
応神天皇の実に5世孫を招聘(しょうへい)し、継体天皇として即位させた。
また江戸時代には皇統断絶を憂えた新井白石の進言で閑院宮家が創設され、
実際に白石の死の70年後、後嗣がないまま崩御した後桃園天皇のあとに
閑院宮家から光格天皇が即位して現在の天皇家へと引き継がれている。
一部の政治勢力は、そうまでして維持してきた男系の継承者を廃嫡(はいちゃく)にしても
女系天皇を実現しようというのだ。その理由と背景を指摘したのが8日付の産経抄である。
〈天皇制のそもそもの正当性根拠であるところの『萬世(ばんせい)一系』イデオロギーを
内において浸蝕(しんしょく)する〉-これは共産党の理論的支柱であり、
皇室と民主主義は両立しないと主張した憲法学者・故奥平康弘氏の
月刊『世界』(平成16年8月号)における文章だ。
萬世一系の皇統が途絶すれば、皇室そのものの正当性の根拠は消え、
内側から解体されていくという意味である。
いま日本は“内なる敵”のために大きな岐路に立っている。
そのことに警鐘を鳴らすことのできる新聞を国民は待ち望んでいる。
                   ◇
【プロフィル】門田隆将
かどた・りゅうしょう 作家・ジャーナリスト。
昭和33年、高知県出身。中央大法卒。最新刊は、『新聞という病』。
https://www.sankei.com/life/news/190623/lif1906230009-n1.html

2019/07/27 07:01
皇位継承順位を維持へ…政府、秋にも議論着手
政府は安定的な皇位継承策の検討にあたり、現在の皇位継承順位を変更しないことを前提とする方向だ。
女性・女系天皇をめぐる議論が継承順位の見直しにつながれば、皇室制度が動揺しかねないと判断した。
今秋にも有識者会議などの場を設け、具体的な議論を始める。

制度の混乱回避狙う
皇位継承資格を持つ男系男子の皇族は3人。
継承順位は〈1〉皇嗣の秋篠宮さま(53)〈2〉悠仁さま(12)
〈3〉常陸宮さま(83)――となっている。
政府関係者によると、皇位の安定継承の議論は、
〈1〉まず3人の男系男子が現在の順位に従って皇位継承することを明確にする
〈2〉そのうえで具体的な安定継承策や皇族数の減少対策を検討する――という2段階で進める構えだ。
政府がこうした段取りで議論しようとするのは、野党が女系天皇や女性天皇の実現を主張しているためだ。
野党第1党の立憲民主党は6月、女性・女系天皇を容認し、
皇位継承順位は性別にこだわらず天皇の直系子孫の長子を優先するとの論点整理を発表した。
仮に立民案を現時点で当てはめると、
今は皇位継承権を持たない天皇、皇后両陛下の長女愛子さま(17)が1位となる。
野党第2党の国民民主党も女性天皇を認めており、主張通りであれば1位は愛子さまとなる。
しかし、政府や国会で女性・女系天皇をめぐる議論が本格化すれば、
「愛子さまと悠仁さまのどちらに天皇に即位していただきたいかという論争になりかねず、
国論を二分する可能性もある」(政府高官)。
政府は、皇位継承順位をめぐる議論が紛糾し、
国民統合の象徴としての天皇の地位に影響を及ぼす事態になることを懸念している。
2017年6月に成立した平成の天皇陛下の退位を実現する特例法の付帯決議は、
「安定的な皇位継承を確保するための諸課題」などを検討するよう政府に求めている。
政府は、現在の天皇陛下が即位を国内外に宣言する「即位礼正殿の儀」が行われる秋以降、議論に着手する。
皇室は天皇陛下、上皇さま、他の皇族方の計18人からなるが、皇位継承権のある男系男子は減っている。
小泉内閣が設けた有識者会議は05年、女性・女系天皇の容認などを盛り込んだ報告書をまとめた経緯がある。
 
安定継承 冷静な検討必要
政府が今の皇位継承順位を変えないことにしたのは、皇位の安定継承策を静かな環境で検討する狙いがある。
読売新聞社が5月に行った全国世論調査では、女性天皇には79%、女系天皇にも62%が賛成した。
野党が女性・女系天皇に前向きなのは、こうした世論を踏まえたものだ。
一方、男系男子の伝統を重んじる自民党保守派などは反発している。
戦後に皇籍を離脱した旧皇族の男系男子の復帰を望む声もあり、議論は難航が必至だ。
政府は今の継承順位に手を付けようとすれば、保守派を刺激するだけで、建設的な議論が期待できないとみている。
今後も皇族女子が結婚で皇籍を離脱し、皇族数がさらに減ることが予想される。
安定的な皇位継承のためには、与野党が将来を見越して
冷静に話し合える土台づくりが不可欠だ。(政治部 傍田光路)
◆女性・女系天皇
皇室典範は、皇位継承資格者を「男系の男子」に限っている。しかし、過去には8人10代の女性天皇がおり、
いずれも父方の系統が天皇の血を引く男系女子だった。
女系天皇は父方が天皇の血を引かない天皇で、男女を問わず例がない。
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20190727-OYT1T50069/

皇位継承順位変更せず議論との報道「全く承知せず」 官房長官
2019年7月29日 12時33分
安定的な皇位継承を確保するための方策をめぐり、
菅官房長官は政府が現在の皇位継承の順位を変更しないことを前提
に議論を始めると一部で報じられたことについて、
「全く承知していない」と述べたうえで、慎重に検討を進める考えを重ねて示しました。
安定的な皇位継承の確保をめぐっては、おととし、退位を可能にするための特例法が国会で審議された際、
速やかな検討を求める付帯決議が可決されていて、
一部の報道で政府が現在の皇位継承の順位を変更しないことを前提に、
ことし秋にも有識者会議などを設けて議論を始めるなどと報じられました。
これについて菅官房長官は、午前の記者会見で
「報道されているような内容は、全く承知していない」と指摘しました。
そのうえで「安定的な皇位継承を維持することは、国家の基本に関わる極めて重要な問題だ。
男系継承が古来、例外なく維持されてきた重みなどを踏まえながら、
慎重かつ丁寧に検討を行っていく必要がある」と述べました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190729/k10012012461000.html

参院代表質問 首相、安定的な皇位継承「男系維持の重み踏まえ、慎重に検討」
2019.10.8 14:37
安倍晋三首相は8日の参院本会議で、安定的な皇位継承の確保について
「国家の基本に関わる極めて重要な問題だ。男系継承が古来例外なく維持されてきたことの重みを踏まえ、
慎重かつ丁寧に検討を行う必要がある」と述べた。
立憲民主党の長浜博行参院議員会長に対する答弁。
https://www.sankei.com/life/news/191008/lif1910080025-n1.html