皇位継承をめぐる危機とは何か

別冊正論Extra.14
(平成23年1月7日発行)

皇位継承をめぐる危機とは何か
高崎経済大学教授 八木秀次
過去に八名十代の女性天皇、すなわち
1推古天皇(第三十三代)、2皇極天皇(第三十五代)、3斉明天皇(第三十七代、皇極天皇の重祚)、
4持統天皇(第四十一代)、5元明天皇(第四十三代)、6元正天皇(第四十四代)、
7孝謙天皇(第四十六代)、8称徳天皇(第四十八代、孝謙天皇の重祚)、
9明正天皇(第百九代)、10後桜町天皇(第百十七代)が存在したことをもって、
女性天皇の存在は我が国の伝統に適うものだとする女性天皇容認論が存在する。
しかし、ここで見落としてならないのは、これら八名十代の女性天皇は
何れも「男系の女子」(父方が皇統に連なる女子)であり、
加えていずれも皇位に就いた時点で既に配偶者と死別している(1推古、2皇極=3斉明、4持統、5元明)か、
生涯独身(6元正、7孝謙=8称徳、10御桜町)か、
幼少(9明正天皇は七歳で即位され、二十一歳で皇位を十一歳の弟、後光明天皇に譲られた)であり、
本命と見なされている皇嗣(男子)に至るまでの中継ぎ役を果たされたという点である。
すなわち、女性天皇はあくまで中継ぎ役であって。女性天皇が配偶者を迎え、
配偶者との間に子供をもうけ、その子供が皇位継承者となる
(その時点で皇統は女系に移ることになる)という例は一例も見られず、
女性天皇が存在した時期はあれ、皇統は連綿として「男系」よって継承されたという事実である。

男系継承は皇位継承の原理であって、これは譲れない伝統であり、できる限り維持すべきであるとの認識に達した。
女性天皇やそこから今日では必然的に至る皇位の女系継承の容認は男系継承がもはや不可能という事態に至った段階、
言い換えれば「万策尽きた際の選択肢」であり、それはあくまで立憲君主制を維持するための措置であって、
そうなれば一貫して男系で継承されたきたこれまでの皇室の姿とは異なるものになるとの認識と
覚悟を持って行うべきものである。
そうであるなら現段階では男系を維持すべく旧宮家の男系男子に皇籍復帰ないし皇籍取得して頂けるよう
皇室典範の改正を模索すべき。